「神社本庁ってどんな組織?」
「日本の神社の役割とか歴史に興味がある」
「神社と宗教の関係について知りたい」
神社本庁は、1946年に設立された宗教法人の事で各省庁とは異なります。
あくまでも、日本で活動する1つの宗教法人として存在している会社のようなものであるため、この違いはとても重要です。
本宗として伊勢神宮を仰いでいて、日本全国には現状でも約8万社もの神社を抱えています。
神社本庁というのは、こういった全国的に点在している神社を包括する存在として成り立っているので、宗教法人という名目で活動を行っています。
神社本庁とは?役割や取り組みについて調査
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神社庁と呼ばれるものを各都道府県に設置
そして、こういった活動をより効率的に行っていくために、地方機関として神社庁と呼ばれるものを各都道府県に設置している特徴もあります。
元々、神社本庁は国家から宗教として認識されていたわけではありません。
少なくとも、戦前まではそういった位置づけにならずに公的な位置づけで行事を行うことを習わしとしていました。
ところが、戦後になるとこの価値観が崩れて、きちんと宗教として認定するように迫られることになります。
これは、国際的に国家運営を行う政府と宗教的な要素を切り離すように求められたからです。
現在での日本国憲法の正教分離の原則とも関連
この考え方は、現在での日本国憲法の政教分離の原則とも関連しています。
日本の場合は、宗教と政治を関連付けて行っていくことも問題になっていなかったので、この流れを踏襲していたという背景があります。
しかし、戦後になってこういった価値観が無くなってしまったので新しい政治的な価値観の元に、宗教とは分離しようという流れが出来ました。
その結果、国家から分類された神社を組織するために設立されたのが現在の形となっているという徳陽が存在します。
ですから、実はこの歴史はそれほど長くはなく、少なくとも神道の歴史からするとかなり短いものであるといえます。
神道そのものの歴史は非常に長い
実際に、神道そのものの歴史は非常に長くてそれが体系化されていなかったとはいえ、既に数千年は存在していると考えられています。
日本列島が縄文時代を終えてから弥生時代にかけて文化が発展する過程で、自然の中に神が存在するという考え方を一般的にしていったのが神道であると考えられているからです。
こういった背景からみていくと、実は神道の宗教的な考え方を文字通り国家的の政治と切り離して宗教的に考えていったのは現代に入ってからだということがわかります。
それまでも、日本人の中には神道的な考え方が存在していて、その考え方が外国から入ってきた仏教などと混ざって様々な価値観を生み出していったという歴史的な背景があります。
現実的にも、幕末以前の仏教を中心とする寺と神道というのは同じものであるとする考え方もありました。
神社本庁に含まれていない神社も存在する
ただ、こういった新しく戦後にできた神社本庁という法人ですが実はその中には含まれていない神社も存在します。
独立して成り立っているところで、根本的に被包括的な関係に放っていないので注意が必要です。
独立している理由はいくつか存在しますが、内部の中で様々な考え方の違いや宗教的な価値観の相違に同じ方向性で活動していくことが困難であると判断しているところもあります。
目的や宗派が異なるのに、同じ組織に属していても意味がないと考えているのです。
こういった、一見すると同じ宗教に見えても派閥や価値観の違いで独立して活動をすることは実は珍しくありません。
これは神道に限ったことではなく、世界的な宗教にも同様のことがいえます。
天照大神を祀る宗教として成り立っている
特に、日本の場合は非常に多くの神様が存在することと無関係ではありません。
例えば、上記のように神社本庁は緯線神宮を中心とした宗派になっていますので、ここで奉っている神様が当然ながらその宗派の中心となります。
具体的には、天照大神を祀る宗教として成り立っていることがわかります。
一方で、出雲大神宮のように独立しているところでは天照大神ではなく大国主命を祀っています。
文字通り、進行する神様そのものが異なっていますので同じ目的や宗教的な価値観で行事を進めていくことができません。
神社そのものの目的が大きく異なっている
さらに、神社そのものの目的が大きく異なっているという背景も見逃すことはできません。
そもそも、神社の中にはこういった組織が設立される前から存在しているものもあります。
最初から独立している神社にとっては、わざわざその組織に入る必要性がありません。
あるいは、そういった目的が異なっていたにもかかわらず、やむを得ない理由によって半ば強制的に組織に組み込まれてしまったものも存在します。
実際に、靖国神社などに関しては元々は国が所有しているものとして最初から設立されているので、全く方向性も目的も異なります。
目的が違うにも関わらず、政教分離によって入っているものなので本庁もこれらの意識の違いについては理解しています。
まとめ
このように、一言で神社といってもその目的や成り立ちは大きく異なります。
その中でも、包括的な考えから全国の神社を考えていくようにしているのが神社本庁なので、その存在は非常に重要で大切なあり方の1つであるといえます。
最終更新日 2025年4月25日 by トゥルソワソワ